数年前まで、犬猫を迎えたい時はペットショップに足を運ぶのが主流でした。「純血」というブランドを掲げ、ガラス張りのショーケースの中で数万〜数十万円という命の値段がつけられている犬猫たちを迎えることしか動物を飼う策はないと、多くの人々が思っていたのです。



 ですが、近年ではペットショップの犬猫ではなく、保護犬や保護猫をおうちに迎える人が増えてきています。果たして、その背景には一体どんな事情があるのでしょうか? 愛玩動物飼養管理士である筆者がその事情を考えてみました。


◆殺処分問題に関心を持つ人が急増
 もともと野良だったり、飼い主に捨てられたりした保護犬・保護猫は数年前までなかなかスポットが当たりませんでした。飼い主のいない動物は保健所や動物愛護施設に連れていけば助けられると思っている人も多かったように思います。


 しかし、SNSが活発になったことで動物を取り囲む状況が見える化され、殺処分の実態やペットショップの裏で動物の命を食い物にする悪徳ブリーダーの存在が知られるように。すると、「動物の命を助けたい」「悲しい思いをする動物を減らしたい」という声が高まり、実際に動物保護に携わる人も急増。保護犬や保護猫という言葉が頻繁にマスメディアに取り上げられるようにもなりました。


 保護犬・保護猫が注目されている背景には、動物後進国の日本にも徐々に動物愛護の精神が芽生え始めてきたことが関係しているのです。


◆保護猫カフェの増加で保護猫ブーム
 また、身よりのない動物を収容している保健所や、保護・譲渡に携わっている動物愛護団体はこれまで少し遠い存在のように感じられていました。


 保健所は暗いイメージが強くて足を運びにくい場所であり、動物保護団体は保護した動物が再び悲しい思いをせず虐待も受けないよう、厳しい譲渡条件を設けているところが多いため、ペットショップで動物を購入しようと考える人が多かったのです。しかし、全国各地に続々と保護猫カフェが誕生したことで、その状況は変わりつつあります。



 保護猫カフェの中には地元の動物愛護団体や保健所と連携し、譲渡をすすめているお店も。足を運んだお客さんはその取り組みを見て、自分の身近で飼い主を求めている動物がたくさんいることを実感し、「殺処分の減少に協力したい」と考えるようになります。


 そうした人が増えると保護猫だけでなく保護犬にも注目が集まりやすくなり、動物を飼うならペットショップではなく保護犬や保護猫を迎えようという声が高まっていきました。


 保護猫や保護犬が迎えられやすくなった背景には、お金を出してペットショップで購入するよりも、目の前にある命を優先的に助けたいと思う人が多くなったことが深く関係しているのです。


◆保護犬や保護猫はしつけにくい?
 保護犬や保護猫を迎えたいと思ってはいても、そうした経験が初めてだと「しつけは大丈夫だろうか…」と不安になってしまうこともあるでしょう。もちろん、悲しい思いをした保護犬・保護猫の中には人間を信じられず、心を閉ざしてしまっている子もいます。しかし、ペットショップで売られている子よりも保護犬や保護猫は人なれしており、しつけが済んでいる場合が多いのです。



 ペットショップで販売されている犬猫は生後まもなく、親やきょうだいと引き離されます。本来ならば親やきょうだいと遊ぶ中で他者との関わり方を学ばなければいけない時期に、ひとりぼっちショーケースに入れられる。これがペットショップの問題点です。そうした子犬や子猫は噛み癖が治らなかったり、粗相をしてしまったりと大人になっても問題行動が見られる場合も少なくありません。


 対して、動物愛護団体や動物保護カフェで育てられた子は、幼少期に様々な人や犬猫と関わっていることが多いため、穏やかで人なれしており、しつけが済まされた状態で譲渡されることがほとんどです。


◆不安を抱いたら信頼できる機関や団体に相談を
 さらに、保護犬や保護猫を迎える時は一週間程度おうちで実際に過ごしてみるトライアル期間」が設けられていることも多いもの。自分は本当に動物を飼育できるのかを改めて考えることができます。トライアル期間は動物同士の相性を見るためにも役立つので、多頭飼いを考えている方にとっても、ありがたい期間となるのです。



 また、ペットショップとは違い、しつけに関する悩み相談に乗ってくれる動物愛護団体や動物保護カフェも多いので、いざという時に頼りになります。困った時に力になってくれる人がいると、ストレスなく動物と向き合えるようになるはず。実際、筆者も地元の動物愛護団体から子猫を譲ってもらった時に飼育上の適切なアドバイスを貰えたり、腕のいい動物病院を紹介してもらえたりして、とても心強かった覚えがあります。


 初めて保護犬・保護猫を迎える時は様々な不安を抱くことがあるかもしれません。しかし、信頼できる動物愛護団体や動物保護カフェなどを調べて相談してみると、自分に合った子が見つかりやすくなります。最近では殺処分よりも譲渡に力を入れている保健所・動物愛護施設も増えてきているので、そうした場所にも一度足を運んでみてください。


 保護犬や保護猫は身勝手な人間が生み出した、被害者。その命を救い、紡いでいくことも人間にしかできないことなのです。


<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>


【古川諭香】愛玩動物飼養管理士・キャットアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter@yunc24291





(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 g-news.jp)


確かに、何らかの理由で捨てられた犬猫さんたちは、その前の飼い主さんにきちんとしつけられてるから大丈夫と言うご意見もあるようです。
しかし、そんなきっちりしていたら捨てられることはないでしょうから、出来れば、どういう経緯で保護されたのか教えてもらえると嬉しいですね。

保護犬・猫を飼うのが初めての人にとっては、やはり、保護された経緯と、健康状態はきちんと公開してもらいたいですね。

経験があって、育て方もきちんとわかっておられる方なら、勿論大丈夫でしょうけど・・・。